総力戦はメディアの世界も変わらない。日本からの特派員は揃ってアメリカにいる同僚の援軍に出掛けた。来月にはアルゼンチンとパラグアイで大統領選を控えるが、南米はもぬけの殻である。
世間の関心が戦争に集まれば、それに応えるのが記者という職業だ。英語では職業をコーリング=神のお召し、と言う。清教徒の世界観になる。
自分の行動は神の意志の体現と考える。ブッシュ大統領も「すべては神の手によって」と言った。神の恩寵を受けるアメリカと悪サダムの戦い―畢竟「善と悪」の対立論理がここに生まれる。
映画「バグダッド・カフェ」のサントラはアカデミー賞を受賞した名曲だが、その題名が「コーリング・ユー」であったことを思う。何気ない連想に過ぎないが、神に呼ばれているのはどちらの御仁かと。 (大)
03/03/25