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 あの湾岸戦争を決断しイラク攻撃に踏み切ったのはジョージ・ブッシュ元大統領であり軍の指揮官がコリン・パウエル元統合参謀本部長だった。ジョージ氏は現在の大統領の実父。パウエル氏は国務長官としてイラクへの武力行使を求め安保理で仏露独と激論。それでも軍事攻撃を選択し空母五隻と二十五万人とも三十万人ともされる軍隊を集結させる▼米空母には一隻に五十機の爆撃機が搭載され最新鋭の戦闘機も多数。英国の基地から飛び立ったB52という戦略爆撃機もバグダット空爆に参戦し、凄まじいばかりの猛威ぶりを見せた。米国にも英国にも精密誘導ミサイルという兵器を保有し今回も使用されているし、半径五百メートル以内の物は全て破壊し尽くすという新型爆弾も開発している▼ある人は「ハイテク戦争」と呼ぶ。「二十一世紀型戦争」と名付ける専門家もいる。いずれにしても、戦争の形態が変わってしまった。もう肉弾三勇士では通用しない。「技術の戦争」の方が正しい。ミサイルや爆弾を取って見ても、射程距離と攻撃目標への命中率はすべてが技術的な裏付けがいるし、兵器を操作する兵士にも、それに応えるだけの知的な水準が要求される▼サダム・フセイン大統領は、軍刀と思しき大きな剣を手に「勝利」を叫んでいたようながら、竹槍で原爆に立ち向かうには無理がある。湾岸戦争もだが、今回の「イラクの自由」は武器の格差が余りにも大きく、勝敗は論を待つまい。今は唯一日も早い停戦を祈るのみである。         (遯)

03/03/22