3月19日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十八日】国際通貨基金(IMF)は十七日、ブラジル政府に対し年金と税制改革案を六月までに議会へ上程することで期限を限定した。また今年度目標インフレ率をイラク攻撃を考慮に入れて、大幅に余裕を持たせ一五%へ引き上げた。上下許容幅を二・五%として、事実上の一七・五%のインフレ率が容認されることになった。その他、四十一億ドルのIMF融資も引き出しが許可された。
IMFとの間に交わされた合意書には、六月三十日までに官民の年金改革と国家公務員の補足年金基金の設置案、税制改革案を議会へ上程するとなっており期限の限定が明文化された。
同文書ではマラニョン、ピアウイ、セアラ、サンタ・カタリナの四州立銀行民営化も発表された。二〇〇四年一月から会社更生法の改正、〇・三八%の小切手税を〇・〇八%への減税と国税庁との関連改正などを盛り込んだ財政法改革へ向けて、三月三十日までに草案提出要求となっている。
中銀の独立性については、IMFが三月末までに連邦令の補足令として議会承認を受けることを要求したが、時間的に無理とする政府側と合意に至らなかった。
今回のIMF定例会議で目新しいことは、目標インフレ率が三月期で従来の八%から一五%へ、六月期が一六%で余裕ができたこと。上下幅を入れて三月が一七・五%、六月が一八・五%となり、イラク攻撃の影響を考慮して予想以上のインフレ率がIMFから容認されたと見ることができる。
さらに公共債務の三月期上限が九千百五十億レアルから九千四百五十七億レアルへ、九月期の財政黒字が四百十九億レアルから五百四十二億レアル、経済成長率が二・五%から二・八%へと引き上げられた。
しかしインフレ率が協定率を超過した場合、IMFの融資残部は中止される可能性があることで、政府はIMFの理解を求める覚書を提出した。IMFの融資金を外貨準備高に振り込み、ブラジルの対外政策で有利に生かされている。政府も国際金融市場で調達するより安価なIMF資金を歓迎している。