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判事暗殺事件 PCC関与の疑い強まる=プ・ベルナルデス刑務所を捜査=ベイラ=マル「知らなかった」

3月19日(水)

 【既報関連=アゴーラ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙十八日】十四日に発生したサンパウロ州プレジデンテ・プルデンテ市刑事裁判所のアントニオ・ジョゼ・マシャード・ジアス判事(四七)暗殺事件で、同州警察と検察局は、事件の首謀者が刑務所内の人間だとみて、事件現場付近の刑務所を徹底的に捜査する方針を固めた。事件発生からすでに三日が経ったが、殺人の動機も分からず、容疑者すら拘束されていない。
 検察局付属組織犯罪対策特殊活動班(Gaeco)の検事と警官らが十七日、プレジデンテ・ベルナルデス市の最新防備刑務所『受刑者再適応センター(CRP)』に昨年から隔離されている犯罪組織PCC(首都第一コマンド)の首領格の受刑者たちを事情聴取したが、受刑者たちは容疑を否定した。
 ジアス判事は同地域にある七カ所の刑務所の担当判事であり、受刑者たちの弁護士訪問などは判事の判断で認められていた。同判事はPCCの幹部役のほか、二十七日にリオデジャネイロ州から移送された国際麻薬密売者のルイス・フェルナンド・ダ・コスタ受刑者こと〃フェルナンジーニョ・ベイラ=マール〃など凶悪犯ばかりを収容しているCRPの担当者でもあった。
 今のところ、PCCの事件関与の見方が強く、(1)判事に恨みを持っていたPCCの一グループの仕業、(2)携帯電話電波妨害機が設置されているCRPでの受刑者たちに対する厳しい措置(日光浴や訪問、弁護士の体に触れることを禁止するなど)への抗議としてPCC幹部が判事暗殺を命令した、という二つの説がある。
 市警殺人事件捜査・被害者保護課(DHPP)は十四日、プレジデンテ・プルデンテ市刑事裁判所のジアス判事の事務所内で、昨年末に同市刑務所の受刑者によって書かれた脅迫状を発見している。
 また、捜査の重要なカギを握る判事の公用車を襲撃した白色のウノ車が市内で放置されていた。だが現場に始めに到着した警官たちが証拠品のウノ車と公用車の管理を怠り、野次馬の一般人たちが車を触ったため、指紋採取が困難になるとみられている。
 リオ州の犯罪組織CV(コマンド・ヴェルメーリョ)を率いるベイラ=マールも首謀者ではないかと疑われている。しかし、十七日にベイラ=マールを訪問したパトリシア・ケイロス弁護士の情報によれば、ベイラ=マールはジアス判事暗殺について何も知らされていなかったという。