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コラム 樹海


 「ぶんきょう丸」の出航が間近かとなった。あとひと月待たずして注目の船長も決まり、大海に船出する。文協(ブラジル日本文化協会)の改革委員会が新評議員一五〇人と補欠五〇人を推薦した。顔ぶれは妥当なところだし、大物の名も少なくない。丹念にひろい上げた配慮のあとがうかがえる▼名ばかり連ねるのみで過去一度も出席しなかった参加意識ゼロの委員は排除された。至極当然のはなしだ。こうした手合いは文協の害になるだけで何の役にも立たない。これを今度のシャッパ作成ではっきり示し得たのは勇断である。〃良貨〃の駆逐化を事前に食いとめたといえるだろう▼定款にしたがい手順を踏むと、この二十二日の四十七回定期総会で新シャッパによる評議員を承認する。さらに二十日後の四月十二日に新しい評議員が招集され、執行部の正副会長、監査役を選出する。もちろん評議員会の役員も決める。ここで初めて改革委の意図する会長、副会長らの誕生となる。文協の役員選びはこれまでと違って人びとの注目を集めるにいたったのは確かである▼このような雰囲気は改革委の真剣な取り組みによって自然に醸しだされた。コロニアに張り合いとやる気を起こさせた功は大きい。新執行部の人事次第により文協向後の行く末が左右されよう。今回は特別だ。巷間で早くも下馬評が飛び交うほどに期待感を募らせ関心度は高まっている▼お膳立てはできた。出航用意は万全。新船長の号令を待つばかりである。
(田)

03/03/19