3月15日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十四日】外国為替市場でドル通貨とカントリー・リスクが連日続落し、インフレ率も横ばいとなったことでジルセウ官房長官は十三日、政府の緊縮財政政策が効を奏し始めたと全国市長会議の閉幕式で発表した。高金利政策と百四十億レアルの予算削減からなる緊縮財政は、前政権の路線踏襲と受け止められ不評をかった。しかし外資が還流し始め、その成果が具現しつつあると述べた。
ジルセウ官房長官は、新政権がやみくもに前政権の経済路線を踏襲したのではなく、それに輪を掛けた苦汁の緊縮政策をとったと述べた。大幅予算削減で数々の公共工事と雇用創出を中断し高金利政策で景気は低迷させ国民に隠忍自重を強いたが、国際金融市場から努力が評価され、いまやその果実を摘みつつあると語った。
またPT恒例の自己批判により、前政権が試みた一連の改革にPTが反対したことは、現政権の誤りであったとパロッチ財務相とメルカダンテ上議が認めた。
ブラジルの経済情勢は、ドル通貨とカントリーリスク、インフレの低下により上昇気流に乗ったので、この流れで税制改革と年金改革も議会で可決し、外国投資を呼び込み経済発展と雇用創出に市長らの援護射撃を乞うと官房長官は訴えた。PTの選挙公約は低金利と産業振興が旗印であったが、実際の政策は逆だったので不評をかっていた。
税制と年金改革の表決では、議員票の買収工作を行わないと官房長官は述べた。また二千人の市長を前に、言行不一致を避けるため政府は対話を欠かさないこと、中断している公共工事は大統領の裁決があり次第、暫時継続することを約束した。
全国市長会議は、趣意書を作成した。市長代表と政府代表からなる委員会を結成、地方自治体の財政難を考慮し限られた予算の中で、公共事業の優先順位を検討する作業を行う。
また同委員会は税制や年金改革案の検討を行うほか、都市への連邦融資や連邦資金交付などの助成機関となり、政府の都市計画法案の具体化を促進する業務も遂行するとされた。