3月14日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】全国市長会議に臨んだパロッチ財務相は十二日、政府の最終的な税制改革原案を発表した。注目されるのは、企業側のINSS負担金計算法が変更になること。これまで給与明細表の合計が対象となったものを、企業の収入総額を対象とする。また流通税はこれまで各州がそれぞれの税率を決めていたものを、連邦政府で一括して四、五種類の税率に統一する。サービス税は、従来通り市税とみなすという。
財務相の説明では、システムの変更だけで増税はないとしている。また政府や地方自治体の財政状態だけを考えて、税制改革をしないと述べた。現行税率はすでに荷重で、これ以上低所得階級に負担を負わせられないと財務相は述べた。
原案で最も注意をひいたのは社会保険(INSS)徴収で企業側負担金を、給与明細表の算出から企業歳入の総額から算出するとしたことだ。この措置は、雇用の創出と正当雇用の増加に寄与するという。
これまで同負担金は、給与明細表の二二%に相当していた。これを全廃して企業の収入額を対象とした場合、収入総額の二・三%となり従業員数と給与額とは関係がなくなる。
低所得階級の家計の二五%を占める品目で消費が多い商品に対するICMSの減税に、財務相は特に配慮している。この品目は高所得階級にとって家計に占める割合は一二%に過ぎない。貧乏人には金持ちよりもICMSが負担になっていると、財務相はみている。
流通税ICMSには、各州によって異なる二十七種類の複雑な税法がある。全国的に営業を展開している企業は、四十四種類の税率と数百の特別規定を熟知して使い分けねばならない。結論からいうなら企業は商品の生産計画よりも、税金対策により多くの時間と経費を費やすことになる。
パロッチ財務相は、複雑多岐な流通税法を一本に統一して税率は四、五種類に類別できるという。州知事らは、州にあった流通税の自主権が取り上げられるので抵抗があるようだ。
その他に高額所得者、高額遺産、高額資産に対する累進税率の課税も盛られている。現行の流通税法で、有利に潤された自治体が税制改革により失う財源の代償なども考慮している。