3月14日(金)
【エポカ紙】男が足りないー。三十代から四十代の独身女性の十人に九人が声高に叫ぶ。その声に触発されて『なぜいい男が足りないのか』が、米国で今年始めに出版された。独立し、成功し、知的で、優雅で、交際範囲の広い「新独身女性」の複雑な思いを分析した同書は高い評判を得た。大都市でますます増加しつつある独身女性。ブラジルでその数は二千万人を超える。彼女たちの希望と現実を探ってみた。
実際、男性は不足していない。米国では三十代の男女の比率は女性五人に対して、男性六人。ブラジルでもほぼ同数。問題は、過去の世代には機能していた愛のモデルが危機に瀕し、廃れてしまったことだ。
以前、結婚は生活の経済的維持、子ども、愛情関係の三つの要素からなる三脚のようなものだった。現在、結婚は始めの二つをもはや必要としなくなった。女性たちは三つ目の理由で結婚を求める。「私の心を成長させてくれる相手が必要」(三〇、獣医)、「私が既に築いた生活を理解できる人を探している」(四〇、ウインド・サーファー)、「養ってくれる男でなく、愛人、パートナーがほしい」(三五、出版社勤務)。
しかし、愛情関係は感情、安心感、相手に愛情を与える能力もからむ最もデリケートなものだ。愛情の獲得を目的として、女性たちは男性との出会いを望むが、大多数は絶望をさらけ出す。「経済的に独立していない、つまり金儲けのことを必要以上に心配する未熟な男にしか出会わなかった」(三〇、獣医)、「東北人は女の人生をコントロールできると思っている」(三八、出版社勤務)、「前夫は所有欲が強く、仕事か自分か選ぶよう私に求めた」(四〇、秘書)、「二人の関係に最初の問題が起こると男は女を取り替えるほうが簡単と考える」(三〇、獣医)。
離婚の大部分は三十歳代に起こり、男性は平均九歳以上若い女性を探す。その際、女性の学歴や収入は問題とならない。逆に女性は上だけを見る。もっと年上で、指導力があって、成功したパートナーを求める。しかし、そういった条件に当てはまる男性はずっと少ない。既に結婚してしまっているからだ。
自身の成長を阻害する関係を持つより独りでいる方がいい。男性は不足していない、ある種の男性が不足しているだけだ。これは男性中心主義の裏返しで、理解と交流が必要なのは女性の特権ではない。自立に慣れた両性は譲歩し合い、共同生活に適応するのに苦労する。女性は男性がとてもエゴイストで、男性は女性が絶対満足しないと考える。
来るべきモデルの不在の中、男と女は深刻な苦悩に満ちた時代に直面している。