3月13日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】国家原油庁(ANP)は十一日、ペトロブラス石油公団がセルジッペ州沖合で最良質の大油田を発見したと発表した。油質は四十六度APIで、世界最高級のアラビア産原油に匹敵するという。埋蔵量は十九億バレルとみられ、ブラジルでは未曾有の大規模、良質のものとみられる。十一日のサンパウロ市証券取引所ではペトロブラス株が急騰し、一時六・四八%まで上げ平均四・一七%高で引いた。
油田埋蔵量十九億バレルは、現在国産の八〇%を採掘しているカンポス沖油田に次ぐものとされる。発見された場所は、セルジッペ州とアラゴアス州にまたがるSEAL-一〇〇地域で、セルジッペ州沖合二十九キロの地点、深度一千百五十米とされている。
セルジッペ州はこれまで、日量四万一千九百バレルの原油を生産して国内六番目の生産州とされていた。これより約三年かけて、基礎工事やプラットフォームの建設など原油の生産と稼働の準備を行う。
カンポス油田の場合、セルジッペ油田とは品質が正反対の重度の原油を日量百三十万バレルを生産している。精製品は燃料やナフタ油に供される単価の低い製品で低品質であった。
カンポス油田で最も規模の大きいマルリン油田の油質は、十八度から二十度APIであった。セルジッペ油田の四十六度APIは遥かに良質でガソリンやジーゼルに近い油質の原油だ。世界最高級の三十五度以上クラスに格付けされる。
サンタ・カタリナ州沖合でも昨年末、四十三度APIの良質油田が発見されたが、埋蔵量が未知数のため未発表となっている。
二〇〇二年から二〇〇三年は、次々新しい油田が発見されてペトロブラス石油公団の当たり年と言われている。同時期エスピリト・サント州沖合の北カンポス大陸棚で埋蔵量が九億バレルのジュバルテ油田とカシャロッテ油田が発見された。さらに東マルリン油田で二億七千バレルと思われた埋蔵量が、四億二千万バレルに上方修正された。
今年はイラク情勢が懸念される反面、新油田の発見が相次ぐと期待されている。同公団はANPとの間で一九九七年に交わされた石油試掘契約が昨年八月満期を迎え、一滴の原油も出ないまま返還した。二〇〇三年に入って、大小二十件の油田発見の朗報が入っている。十七件がペトロブラス石油公団で、三件が外資系民間企業だ。