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小中学生の41%が中退=教育省、事態を重視=学齢期の就労が落第原因

3月13日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】教育省調査統計局(INEP)は十一日、ブラジルの小中学生百人のうち、四十一人が義務教育を終了せずに中退していると発表した。義務教育は八年だが、卒業生は平均で一〇・二年間通学して学業を終了している。
 高校になると事情は、好転する。百人の高校生のうち七十四人が卒業し、三年間の課程を平均三・七年で終了している。小学校一年に入学して高校を卒業するのは、平均で百人に四十人となっている。
 これは教育省が初等教育から大学までの教育効果を、学校のインフラや教師の給与、教育への投資について調査したもの。向上した部分もあるが、INEPは憂慮すべき事態としている。まず経済発展の基礎になる義務教育の不徹底。十歳から十五歳の学齢期は、家庭の生活を支えるための稼働力になっていることが原因とみている。
 統計が示す小学生の二一・七%落第を、INEPは向学心の障害とみて重要視している。また地域や州の所得格差も、教育効果の妨げだとみている。サンパウロ州の卒業率は義務教育も高校も、平均五二・三%と国内最高だ。トカンチンス州は一三・三%と最低であった。
 人間の向学心を刺激する幼児期の一日当たり就学時間は、北部と東北部が四・四時間。南部は六・五時間。青少年が成長する環境の文化水準も重要視される。東南部では三四%が高校や大学を卒業し、東北部では二三%とされる。
 国立大学への受験生は、ここ五年平均で七・四倍から九・三倍に増えた。私大は二・六倍から一・八倍に減った。国立大学への受験合格率は東南部は十一倍、
北部が九倍、中央西部と南部が八・五倍、東北部は七・七倍だ。