3月7日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙六日】新しい交通方式を取り入れたサンパウロ市内路線バスの入札が二十八日に行われ、ジウマール・タット交通局長は五日、入札に参加したバス会社の書類が入った封筒を開いた。参加者のほとんどは、現在サンパウロ市で営業しているバス会社で、入札後の市内の路線バスに変化は見られない。
厳しい入札条件の変更を訴えてきたバス会社経営者たちと〃腕相撲〃をしてきたマルタ・スプリシーサンパウロ市長(PT=労働者党)は、サンパウロ市以外の、できれば他州のバス会社の入札参加によって現在のサンパウロ市のバス会社経営者を一掃できると考えていたが、見事に予測が外れ、顔をしかめた。
市内路線バスの各社担当地区は八カ所ある。サンパウロ市路線バス会社のリーダーであるジョゼ・ルーアス・ヴァス氏は、現在すでに運行している四カ所の地区の担当を継続する。同氏のバス会社は、市内の路線バスの三〇%を提供している。
入札で価格の競い合いがある唯一の地区は、第五地区で、ヴァス氏とジョルジェ・ナカノ氏のバス会社二社が入札に参加した。五日後には、官報で路線バス会社名が公表される。
経営提案書が入った封筒が開かれるのは二週間後の予定。市は、乗客一人当たり〇・七一一四レアルから一・一四六五レアルまでを経営者に配当すると、あらかじめ限度額を定めている。だがフォーリャ紙の取材によれば、経営者たちはこの限度額を無視し、バス会社の経営事情を考慮した実行可能の経営提案を出したという。もし実際にこのような提案が出されていれば、市はバス会社側と再交渉をする事態に陥ることになる。
タット交通局長は五日、二年前から準備してきた入札が予測外れに終わったことを認めず、「腐った部分は除去された。悪いバス会社経営者が入札に参加することを心配していた」と明言した。同局長が悪い経営者とするのは、シダーデ・チラデンテス社のロメーロ・ニキーニ氏である。
だがニキーニ氏は昨年九月に契約破棄処分となっていたため、サンパウロ市の路線バス状況に変化は見られない。タット局長は、「経営提案書が市の条件にそぐわなければ、再度入札を開いて経営者側に新しい提案書を出させる。あるいは、入札なしで全く別のバス会社を路線バス経営に招待するまでだ」との姿勢を見せた。