3月7日(金)
【ジアーリオ・デ・サンパウロ紙】性感染症の一種で、現在最も感染しやすいとされるHPV(人パピロマウイルス)が女性、特に若い女性に広がりを見せている。
ブラジル全土で女性の四人に一人が生殖器にイボや病巣が現れるHPVに感染し、二十代の女性は、ほぼ二人に一人が感染し、その上、HPVの存在すら知らない。男性については、特定の検査を受ける習慣がなく、信頼性の高い統計がないため、感染者数は未確認となっている。早熟な性行動、性交相手の頻繁な交替、コンドームの使用への抵抗など、性体験を始めたばかりで、感染症に対して無防備な若者が、HPVの危険に身をさらしている。
HPVは百種類以上あり、その三分の一が生殖器に感染する。感染したHPVは危険度の高低によって二種類に分けられる。危険度の低いHPVは膣、ヴァギナ、肛門、ペニスで増殖し、イボとなって現われるが、多くの場合、現われないか、自然に引っ込んでしまう。感染者の誰もがHPVに対して、抗体を作るためで、中には完全に治ってしまうケースもあるという。危険度の高いHPVは感染して数年後に同部や子宮口のガンを引き起こす可能性を持つ。毎年一万七千人の女性の子宮口に腫瘍ができ、四千人の女性がこのガンで死亡している。
ブラジルではHPVに対するワクチンが五年後の実用化を目指して開発中だが、現在、HPV治療の決め手はない。症状が悪化すればレーザー手術も行われるが、十分な栄養摂取、禁煙、禁酒などによって免疫力を高めることも有効と考えられている。