3月7日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十三日】サンパウロ国立医科大学(UNIFESP)神経外科のフェルナンド・ブラガ教授は二十二日、脳内出血や脳卒中の原因になる脳内頸動脈の動脈瘤を手術しないで治療できると報告した。
これまで脳内頸動脈瘤の治療は、頭骸骨の切開手術をしなければならないと考えられていた。同教授はカテーテルと呼ばれる血管の中に内視導管を挿入する方式を応用することで、頭骸骨を切開しないで治療する方法を開発した。
動脈瘤は、血管の老化とともに血管壁の弾力性が衰えた部分に血圧がかかり瘤ができる症状。この瘤の部分は非常に脆く破れやすいので、いつでも破裂する可能性がある。血管壁に瘤を形成するのは、生まれつきの体質にもよると同教授はみている。高血圧で瘤が破裂すると致命的だ。
新治療法は、まず股間に四ミリほどの挿入口を開き、細い針金状のカテーテルを瘤のある患部まで挿入する。作業はX線で透視してモニターに映し出される。瘤にプラチナ製でリング状の蓋を差し込み、血液の流入を防ぐ。
内視導管の専門医はブラジルに三十八人おり、公立病院に勤務している。医師数では米仏に次いで世界第三位を占め、技術的にも認められている。また内視導管治療は医療保険システム(SUS)により無料で治療を受けられる。