カルナバルがやってきた。どこまでも華やかで賑やかな遊楽祭である。カトリックの厳しい四旬節を前にして楽しくお祭り騒ぎをしようの心からきたものだから踊りも音楽も底抜けに明るい。リオはサンバながらオリンダになるとフレーボ。サルバドールはアシェとそれぞれに独自の音楽とリズムに酔い跳び舞いながら踊る▼日本からの移民たちは、この楽しいお祭りがどうも苦手だったらしい。戦前の移民にも勇気ある男性はいたし、勇猛心を発揮してエスコーラ・デ・サンバに参加した人もいたらけれども数にすれば本当に少ない。ある種の「照れ」があったのだろうが、近ごろは様子が変わってきた。あの華麗で豪華なデスフィーレの総監督であるカルナヴァレスコを務めた二世もいるし、踊り手の三世や四世もいっぱい▼それにもう一つ付け加えれば日本からのファンがリオやサンパウロに大勢押しかけてくることだ。恐らくは一千人は下らないそうだが、これのほとんどが若い女性とも耳にした。東京の庶民の町・浅草には、立派なカーニバルがあってカリオッカも助っ人に駆けつけ、それは賑やかなものらしい。観音さまも目を白黒されびっくりだろうけれども日本の若い人は大いに変わった▼サンパウロに駐在する人々のご夫人らも負けてはいない。こちらは行進に参加するために練習を重ね絢爛たる衣装代も自弁という本格派。あるいはアニャンビーのサンボードロモで華やかに舞う若きご夫人たちのサンバに酔い痴れた読者も多いのでは。(遯)
03/03/04