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原油暴騰し通貨政策苦境に=インフレ率再修正=公共料金含み軒並み上昇=IMF、改革動向に注視

2月28日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】四月渡しの原油がバレル当たり四十ドル近い湾岸戦争以来の高値に付けたことを受けて、ペトロブラス石油公団のジョゼ・E・ドゥトラ総裁は二十六日、国内消費用の燃油価格が大幅調整前夜にあることを報告した。中央銀行の通貨審議会も二十六日、もはや金利を引き上げても制御不可能な潜在インフレと到来する原油暴騰によるバス料金や電気料金の値上げで、物価上昇の危機感を示す議事録を公開した。

イラク開戦を見越した各国の備蓄用買い付けが集中して、四月渡しの原油がニューヨーク市場で一九九一年の湾岸戦争水準の三十七ドル九三セントに暴騰した。
 ペトロブラスのドゥトラ総裁は、現在のガソリン消費者価格と原油国際価格の間に大差があることを発表した。投機筋の徘徊防止のため調整率と時期には触れなかったが、変動率は大統領選によって引き起こされた金融危機の水準以下に押さえると予測した。
湾岸戦争の開戦時はバレル当たり四十ドルに暴騰し、直後十ドルへ暴落したことがある。短期決着か長期戦となるか、前回の繰り返しかは見当がつかないので、変動の推測は困難と総裁は述べた。
 中銀通貨審議会は原油の暴騰で、ガソリンやバス料金、電気料金などの統制価格が制御不可能までにインフレを引き起こすことを懸念している。金利引き上げにより市場から八十億レアルの流通量を引き上げたが、潜在インフレは根強い。
 ガソリンは一月、当初予想の〇・二%が、八%に調整され、家庭用ガスは一・六%が六・四%に引き上げられた。この二点で中銀の努力は水泡になり、さらに電気料金は、今年二七・一%の調整予定だ。一月のインフレ率二・二五%は、非統制価格では一・六四%増であったのに統制価格の三・八三%増が元凶となって高く押し上げられた。 
財務省主計局のレヴィ長官は二十六日、国際通貨基金(IMF)と修正合意したばかりのインフレ目標率六・五%が、またも修正されると発表した。
 新目標率は、IMFと協議のうえ決定されるので未定。IMFは、インフレ率よりも税制改革と年金制度改革の成り行きに注目し、PT政権の健全財政への努力を買っていると、長官は事態の複雑さを語った。