2月28日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】三日間にわたった麻薬組織によるリオ州の騒動は二十六日、ロジニャ・マテウス知事が、軍警と市警の総動員令を発令して鎮圧された。
騒動の指揮をとったとされるバングー刑務所の札付き受刑者二十人を軍警三百七十人が交代で二十四時間、家族の安全のため目明き帽を被り、一挙一動を監視している。この二十人は撹乱分子として、家族や弁護士を初め一切の他者との接触を禁じられている。
また組織が根城とする各区は軍警特殊部隊(BOPE)によって常駐監視されているが、これまでに射撃戦で死者二人が出た。
国際イベントのカーニバル開催中は知事が、「安全なリオ」作戦と命名して軍警二万三千人、市警五千人を、治安確保のため特別出動させる。リオ市も四千五百人の警備員をスーパーやショッピング・センター、商店街に配置した。
ルーラ大統領は、リオ州知事から要請された陸軍の出動を回避して、バストス法相とジルセウ官房長官をリオへ事態収拾のために派遣した。大統領は二十七日、ビエガス国防相や安全保障室のフェリックス大佐などと犯罪組織が広範囲に同時蜂起した場合の陸軍対応法を協議する。
麻薬組織への対応については、前政権の手法が適切であったとする意見が連邦警察の中にある。麻薬組織は末端で対応するより、生産地で根絶することだという。前政権時代に蓄積された麻薬の生産、流通、資金に関する情報が持ち腐れになっている。麻薬組織の根絶は全伯的に展開しなければ、リオだけを取り締まっても一時凌ぎといわれる。