2月28日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四日】朝市(フェイラ)の商品の多くは、不衛生で危険―。サンパウロ総合大学公共保健学科(FSP―USP)のソラーヤ・ガルシーア・アウジ医師が、サンパウロ市九百カ所で開かれている朝市のうち五十カ所の商品や屋台を検査したところ、食品の多くが保存状態など衛生面で問題のあることが分かった。
アウジ医師は、一九八八年に発効されたサンパウロ市条例二五五四五条に基づいて調査を実施した。この市条例は、朝市の営業条件や商品の扱いなど細かく規制したもの。
まず朝市の位置について。条例では病院や学校、教会、ガソリンスタンドから百メートル以内に市場があってはならない。多くの市場はその規制を違反していた。「ひどい場所では、病院の汚水がフェイラの屋台の間を流れていた」と、アウジ医師は語る。また営業許可証を掲示している屋台は、全体の一五%にすぎなかった。
露天商側の衛生管理も問題が多い。法律では髪の毛が食料品の上に落ちないよう帽子や網などをかぶり、作業服を着て仕事するように定めている。また、ひげを剃らないのも違法。時計や指輪も使ってはいけない。大げさに思われるかもしれないが、これらの注意点は食料品の衛生を保つのに欠かせない。アウジ医師の調べでは、販売人の一九%が私服を着ており、五八%は髪をまとめていなかった。
法律では、商品を洗ってから販売することを禁止している。しかしある販売人は、「レタスやキャベツを洗わなければ、誰も買ってくれない」と反抗した。
市場で使われる機具も、衛生的に管理が悪かった。「秤の皿にはホコリや前に測った野菜の切れ端などがついていた」。パステル屋台の九一・一三%では、コンロに近すぎる位置にガスのボチジョンが置かれていた。法律は五メートルの距離を置くよう定めている。
最もひどかったのは肉屋や魚屋の屋台の冷蔵機で、最悪の状態で使われていた。「肉の上にハエが群がる屋台もあった」。法律では、魚を販売する際には、氷のかけらを散りばめて魚の保存状態を保証しなければならない。「厳守していた魚屋の屋台はわずか八%だった。肉屋は三〇%に止まった」。
サンパウロ市食料配給局(Semab)は、「朝市に問題があることは認めるが、アウジ医師が言うほど重度ではない」と弁明。「問題の解決に努めている」と語った。
Semabのジャイール・サンターナ総合担当によると、過去二年間に実施された当局の調査で多数の屋台不法営業者が発見されたという。だが監督官の不足のため、不法営業者問題にピリオドを打つことができないでいる。「フェイラ九百カ所に対して、監督官の数はわずか二十五人」と打ち明ける。
「昨年四月の同市条例改正によって、フェイラの監督は各地区の地区役所によって行われることになった。役所の役員は我々と違って、罰金措置や押収措置をとることもできる」と、同担当は状況の改善策を説明した。