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死刑導入考える時=ブラジル人初のICJ判事 「国際刑法に準じつつ」

2月28日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十三日】オランダ・ハーグの国際司法裁判所(ICJ)で三月十一日、ブラジル人では初めてのシウヴィア・シュタイナー法学博士を含む十八人の新判事就任式が行われる。
 同女史は連邦地方裁判所サンパウロ支部で判事を務めていた。国際法廷では主に戦争犯罪や独裁、軍政、大量虐殺、人権侵害などの審理を行う。任期は九年。同女史は記者に、判事就任に伴うブラジルとの関係を次のように語った。
 ICJの一員として迎えられたことが、すでにブラジルとの関係第一歩だという。ICJ非加盟国の米国、中国、ロシア、リビア、イラクを除いた全ての国は、加盟国としてICJが定めた国際刑法に準じることを原則としている。
 他の加盟国は、すでに国際法に準じた刑法を取り入れているので、死刑を認めないブラジルの国内法も、暫時国際法に沿った内容に改正して行く義務がある。外国人がブラジル国内で殺人罪を犯した場合、国際法によって裁かれるという。
 ブラジルを含む八十九カ国が加盟して一九九八年、制定された〃ローマ憲章〃が掲げる犯罪を外国で犯した場合、加盟国のどの国ででも国際法に準じて裁かれるとなっているので、ブラジルの裁判官にも国際法が要求する法の精神を学ぶ必要があるとしている。
 ブラジル独特の法体系が通用しなくなり、犯罪の定義、犯罪の概念も変わってくるという。従来の殺人被害者軽視や凶悪殺人罪も最高刑三十年とする刑法概念も変わる。ICJとの関わりは、ブラジルの法曹界に新しい文化的変革をもたらすと語った。