移住者が来なくなっても、日本から若い人たちはたくさん訪伯する。そして、ボランティア活動を熱心に、積極的に行う。その多くがファベーラでの活動であることが特徴だ▼以前、若い人たちに尋ねたことがある。「どうして日系人の孤老や生活困窮者に目を向けないのか」。明瞭な答えはなかったような気がする▼ただ、日系人向けの、たとえば福祉活動は、すでに日系の団体によって道がつけられている、つまりそんなに出る幕がない、また、日本人・日系人が相手では第三者に実績を報告する際、地味だ――などが理由なのだと察してみた。もう少しいえば、せっかく海外に出たのだから「国際的でなければ」といった気負いも感じられる▼ごく最近、米国の国際的なボランィア養成機関で訓練を受けた日本人女性が二人来伯、レシフェのストリートチルドレン(家出の子)の社会(家庭)復帰やファベーラの生活環境改善を手掛け始めた。国際グループの一員として一生懸命だ。現在、企業や財団に援助を依頼しているという▼サンパウロでは毎年、日本の学生たちのグループが、やはり、ファベーラで日本紹介を兼ねた生活向上支援のフェスタを催す。焼きそばをファベーラの住民に紹介しようとすれば、相当量が必要なので、企業の援助を申し入れたりする▼このように、〃官製〃でない、日本の若者のブラジルにおけるボランティア活動は、対象はファベーラが多い。傾向はますます強まっていきそうだ。 (神)
03/02/28