今頃になると日本ではマスクを着けた人が増えてくる。帰宅すれば洗顔と目は流水で洗い、うがいも欠かせない。これだけ見ると、風邪でも引いたのかと思ってしまうが実は「花粉症」なのである。杉などの花粉が襲ってきて鼻水やくしゃみ、目の痒みや充血を起こしそれは苦しい「難病」らしい。この患者は約二千万人と言うから何とも恐ろしい▼今年は、このスギ花粉が例年の二倍も飛散するの予測で近畿と関東は特に要注意の警報も出ている。どうしてこんな「難病」が現れたのかは諸説あるけれども、最も大きいのは杉の造林にあるようだ。杉は住宅や家具にもなるのだが、ラワン材などの輸入に押されてしまい需要が減退。山林は手入れも疎かになりがちで花粉だけが飛び交うようになる▼スギ花粉症の患者が報告されて四十年になるそうだが、ブラジルに古い移民らには馴染みが薄い。元々は人だけだったのに九八年に犬が感染し二千年になるとネコが患者になったの報告もある。こんな病気はブラジルにも外国にもなく恐らく「日本病」と呼んでいい。国民の七人に一人が花粉症なわけだから国会議員も放ってはおけない。そこで結成されたのが「ハクション議連」▼正式には自民党の「花粉症等アレルギー症対策議員連盟」と言う長ったらしい名称だけれども、お役所にも声を掛けるてはいるが、この奇妙な「難病」を制御できるのは早くとも二〇一六年頃だそうな。ウーンと唸ってしまうが、あと暫くは「鬱陶しい春」に耐えるしかない。 (遯)
03/02/27