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住宅状況の改善を求めるMTSTの抗議者
住宅状況の改善を求めるMTSTの抗議者

ハダジ市政=不法占拠の件数3倍に=家賃上昇に苦しむ市民

 フェルナンド・ハダジ氏(労働者党・PT)がサンパウロ市市長に就任してからのホームレス運動による建物や土地の不法占拠の件数は、ジルベルト・カサビ前市長(社会民主党・PSD)の任期後半の2年間のほぼ3倍になったと25日付フォーリャ紙が報じている。
 2011~12年の2年間に起きた建物や土地の不法占拠は257件だが、2013年1月から今年11月4日までの件数は681件に達した。
 ハダジ市長は就任直後から、自ら発表した2016年までに約5万5千の家族に住居を保証するという公約実現への圧力に苦しんでいた。
 ホームレス運動の指導者にとってはハダジ市長との会談結果は芳しいものではなかったが、昨年6月に総合開発計画を変更してからは、その活動が更に活性化した。
 ホームレス労働者運動(MTST)指導者のギリェルメ・ボウロス氏は不法侵入の増大は近年の家賃上昇が原因だとし、「不法占拠が起きているのは不動産投機のせいで家賃がどんどん上り、借家に住めない人が増えているせいだ」と言う。
 映画館だったシネ・マロッコスを占拠したサンパウロ・ホームレス運動(MSTS)代表のウラジミール・リベイロ・ブリット氏は、「もし我々に住居を保証しないのなら、集団での不法占拠を繰り返す。サンパウロ市中心部は占拠するための建物に事欠かない」とし、これからも不法占拠を続けることを宣言した。
 不法占拠の増加を受け、軍警は不法占拠された土地や建物の権利回復に専門的に関わるグループを創設した。軍警ではグループ創設と共に、不法占拠された土地や建物の所有権回復のためのオペレーション・マニュアルを作成。それからは不法占拠者の自主退去件数が157%増えている。2012年の自主退去は21件だったが、今年は11月までだけで54件が自主的に、占拠した場所を明け渡している。