温暖化が貧困削減に打撃=世銀が改めて警鐘鳴らす=ブラジルでも様々な部分で影響
サンパウロ州などで水危機が叫ばれる中、世界銀行が23日に気候変動に関する報告書を発表し、地球温暖化が貧困削減を困難にし、水戦争や食糧危機などの問題を招くと改めて警鐘を鳴らしたと23日付アジェンシア・ナシオナル、G1などの各紙サイトが報じた。
温暖化の影響が最も深刻なのはサブサハラ・アフリカや南アジア、東南アジアだというが、同報告書はラテンアメリカや中東、東欧諸国も多大な影響が出ると警告。ブラジルの大豆の収量は30~70%落ち、中米やチュニジアの小麦は全滅する可能性があるという。
ブラジルでは既に干ばつで小麦の品質が落ち、今収穫期は最低700万トンの小麦の輸入が必要だという。オーストラリアでも干ばつで小麦は100万トンの減収が予想される。世界の小麦生産量は7億2千万トンで終り、7億2200万トンの需要を下回る見込みだ。
また、ミナス州からバイア州、ペルナンブコ州に広がるサンフランシスコ渓谷の果実の輸出は、昨年の3分の2の3万トンで終る見込みだ。フェイジョンの収量は昨農年比8%減の315万トンとなる可能性があるなど、ブラジル各地でも干ばつによる農業生産への影響が出ている。景気回復の遅れで、ナタルの食卓は例年よりも穀類の出番が多いと見られているが、需要増となれば季節的な安値幅は小さくなる。
ポツダム研究所がまとめた報告書「温度を下げろ:4度Cの気温上昇を回避しなければならない理由」は、このままでは世界の温度は今世紀末までに4度上昇と警告。近年の温室効果ガス排出量の増加は温暖化が今後数十年間続く事を意味し、農業や水資源、生態系、健康の各分野が壊滅的な影響を受けるが、適応が困難な貧しく弱い立場の人が最も深刻な被害を受けると説明している。
続く「温度を下げろ:極端な気候現象と地域的影響、強靭な社会構築の必要性」では、20~30年後の気温は2度上昇し、食料不足や熱波、これまで以上に激烈な暴風雨が広がると予測する。
2000~13年はいずれも、統計開始からの134年前で最も温度が高かった年の上位15位に入っており、大雨や洪水、干ばつなど、異常気象に関連する現象も激しさを増している。温暖化の影響は熱波や海水の酸性化などにも表れ、無傷で済む国はない。
2040年の気温は産業革命前より2度上昇すると見られ、干ばつや猛暑を含む異常気象が頻発。アフリカでは2050年までに栄養失調児が1千万人増え、2100年までに降水量は40%低下。耕作地は最大90%、1人当たりの食糧は15%減り、食糧価格は上昇、貧困は更に蔓延する。アフリカの温暖化が世界経済にも影響を与える事は避け得ない。