2月20日(木)
国際協力事業団ブラジリア事務所サンパウロ支所(小松雹玄支所長)は、現地校に移行して経営の安定を図るよう、モデル校を啓蒙している。現地校になれば、一定数の生徒を確保でき、在学中に継続的な日本語教育を実施していけるため。日本移民百周年に当たる二〇〇八年が、JICA本部の支援をとりつけるのにも最適な時期となりそうだ。
小松支所長によると、日本語学校への入学は、各校によって異なる。年間を通じて随時、受け付ける学校もあれば、時期を定めているところもある。
毎年の生徒数の変動が大きく、あらかじめ必要な教師の数も分からないため、経営が不安定な状態になっている。
また、学習者の出入りも激しく、個人の日本語レベルもなかなか、向上しない。小松支所長は、「生徒が一歩一歩、階段を上っていくとは限らない」と、現状を懸念する。
一定規模の日本語学校なら、現地校に移行させるのが最善の解決策だというのが、小松支所長の考えだ。
ブラジル学校に日本語を正課か選択授業で導入すれば、生徒は学年を追うごとに、力をつけることができる。非日系人の学習者の増加にもつながり、日本語教育の裾野も広がる。
JICAも教材や機材などについて、何がしかの支援が出来る。
教師の収入は安定する。ただ、ブラジルの教員免許が必要となる。
日本語普及センター主催の教師養成講座本科を単位制とする。単位を取得したら、日本語だけに限って教えることができるとの認定を与える。
可能か否か、州の教育局に相談する考え。実現すれば、資格の無い日本語教師を救済できる。
日本移民百周年を五年後に控え、日系社会も盛り上がりを見せてきた。学校の形態を変えるには、今が大きなチャンス。百周年の記念事業に組み入れれば、JICA本部に予算を申請しても、理解されやすい。
小松支所長は、「一世が健在の間に、継続的な日本語教育が行えるような仕組みをつくる必要がある」と、早急に取り組むべき課題だと見解を示す。
今は、構想段階。具体的な話しは進んでいない。最終的な決定は、各モデル校に委ねられている。