ランドセル背負って元気よく……。これが日本における小学一年生ピカピカの姿だ。当地ではモシーラ(リュック)背負って汗かいて……。まことにご苦労さんと言いたい光景がみられる。このモシーラに詰め込まれた教科書やノート、文房具などその目方はばかにならぬ。まるで石でも入ってるのでは?と錯覚を起こすほどなのだ▼こんな小さな子らに余計な負担かけて平然としているわけにはいくまい。父兄からの苦情もあり、一部の学校では負担軽減の基本策を練ってすでに実施したところもある。サンパウロ市の場合、昨年通達を出している。学童が体重の一〇%を超えるモシーラを背負って通学しないよう学習科目への配慮を定めたものだ。けれども実際には施行細則がないため効果は上がっていないという。規則がなくても学童の身を考えてもっと真剣に取り組む気になれないものだろうか▼あの重たいモシーラを背負い通学する子らの中には背骨や腰の関節に異常を覚え、整形外科通いの子が増えているそうだ。少年は十四歳、少女は十六歳まで肉体的には未熟だとされる。育ち盛りの子らに過重な負担をかける仕組みは追放、排除さるべきだ▼時間割の調整などで毎日持ち運ぶ教科書、ノート類の重さは平均化されよう。それでも体重四〇キロの学童が四キロを背負って歩くとなるとそう楽ではない。大人は学童にやさしい「過重負担ゼロ」の徹底をはかってやることである。
(田)
03/02/19