母子が散歩する公園にて一つ、二つと数えれば、九つにもなった。遊具の数ではない。モニュメントである。
アリアンサ地区の中心通りに面したそこには、「最初の入植地点」を示す石碑に始まり、句碑・歌碑・胸像・彫刻が計九つも建つ。
かの地の広野に比べれば猫の額ほどの敷地内に、だ。乱立気味との感に、鑑賞したものの、何の感傷もなかった。後世の人はどう眺めるか。
時が移れば、何だか見当違いの場所に立っているような記念碑をサンパウロ市でも目にする。先立って新装されたパトリアルカ広場に、ポツリと昔の姿のまま残された銅像なぞには悲哀すら漂う。
その点、植物はいい。カルロス・ゴメス広場の名物である椰子は三〇年代に、文化人類学者レヴィ・ストロースが撮った写真にも確認される。通る度、過去とのつながりをこの木の成長に見る。 (大)
03/02/18