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コラム 樹海

 先週末に元建設大臣の中村喜四郎被告の実刑が確定し刑務所に収監されるのニュースがあった。ゼネコン汚職で逮捕され長い裁判の結果が有罪の判決だが、政界と建設業との癒着は今に始まったことではない。先には自由民主党の長崎県連本部に警察の捜査隊が踏み込み手入れを行った。これも建設業界へ知事選の選挙資金を要求した容疑である▼今、日本の政局は小泉首相の道路公団などの民営化を巡り所謂「抵抗派」との確執が続いている。本州と四国に架橋した橋も全部が赤字路線だし、道路の建設も何処かで歯止めを掛けないと大変な事態になりかねない。ところが、こうした公共事業で生活している建設関係者は無数と言ってもいい。そこで国や自治体と工事の請負契約を結ぶために国会議員や県議などの「口利き」が生まれ政治献金となるものらしいのである▼日本では会社と名のつく企業のうち三〇%は建設絡みらしく、今では農道までが立派に舗装されていて時速八〇キロや一〇〇キロも平気なのである。訪日したときに東北の山村に遊びによったらそこの町長選挙に際して土建屋さんが一千五百万円かの選挙資金を献金したとかの話をしていたが、それだけの資金を出しても建設業は儲かるのに決まっている▼このような形の不正を断ち見直しを進めないと無駄な公共事業はなくなるまい。道路の民営化もそんな一つなのに道路族の抵抗は強い。これまでは湯水の如く道路に資金を投入してきたけれども、ここらで一息も立派な政策な筈なのに─である。 (遯)

03/02/18