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イラク緊迫しレアル続落=中銀介入効果出ず=株は売りリスク上がる=PT政権初の試練に

2月15日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十四日】米軍特殊部隊がイラク領内で軍事作戦を開始したことで外国為替市場は十三日、ドル買いの動きが続き、通貨レアルは三レアル六六五センターボで取引を終えた。株式市場は売り注文が上回り、ボベスパ指数は前日終値比三・八三%安と昨年十一月十一日以来の低水準で引いた。中央銀行は一億ドルの介入を実施したにも関わらず、レアル通貨を守り切れなかった。カントリー・リスクは、二・八%上げて一・三五七ポイントとなった。

 米軍特殊部隊がイラク領内で本格戦争に向けた準備活動を始めたことで、武力突入は避けられないという見方が強くなったようだ。原油の三月先物がニューヨークでバレル当たり三十六ドル三六セントに高騰して、世界金融市場を直撃した。
 政府は、国際収支の赤字補填に八十億ドル、公共債務の決済に二百七十億ドル、合計で三百五十億ドルの外資を呼び込むため予算削減や財政黒字で渾身の努力を払ったが、外的要因はきわめて悪化した。PT政治初の試練の時が、来たといえそうだ。
 地理統計院(IBGE)が一月の消費者物価指数(IPCA)を二・二五%と発表したことは、今年度インフレ目標率も達成不可
を暗示しマイナス要因に拍車をかけた。金利の七月先物は、二八・二五%へ引き上げられた。現在の指標金利の二五・五%も、近く一%から一・五%の引き上げが予想されている。
 イラク軍が、国連許容の百五十キロメートルを上回る射程距離を持つミサイルを所有するという査察団のブリックス発言が、一挙に緊張を高めた。米軍の武力介入は、国連査察団の最終報告にかかっている。
 イラクの支援を受けたテロリストによるサウジ・アラビアのクーデター計画の噂と米英の武力介入に欧州諸国が賛否両論に別れ介入が短期決着となるか長引くか、全く予測できないと金融関係者が嘆息している。
 パロッチ財務相は十三日、TVのインタービューに答えて「軍事作戦が短期間で終わるか勃発を免れ危機が収束すれば、ブラジル経済は徐々に回復することを確信する」と述べた。