2月15日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十四日】労組代表や企業代表、地方自治体、社会団体などで構成される経済開発審議会の第一回会議が十三日、開催された。
社会保障制度の改革原案が、そのまま議会を通過した場合、地方自治体財政に及ぼす十七億レアル以上の歳出増が引き起こすインパクトを知事や市長らが訴えた。また労組の圧力により、現職中の公務員も含む官民統一の社会保障制度は、大きく軌道修正を余儀なくされた。
社会保障院のベルゾイニ総裁は、改革案表決後に新規採用された公務員のみを改正案の対象とし、就労中の公務員は対象から除外することで合意した。
同審議会は委員の半分が企業代表で占めることから、合意に達しない場合、労組代表の要求により多数決で採決しないで、大統領が判断のうえ議会への上程の是非を決定する方針に変更した。それ以外は平行進行で妥協点を見いだすので、審議会自身は何ら権限を持たないことになった。
引き続き審議会は、税制改革や農地改革、政治改革、労働法改正、労働組合の機構改革などを協議した。審議会は政府が当初、意図していた政策決定機関から政策打診機関へ大きく変身しため、改革案の議会上程が遅れることも憂慮される。
マドリード・クラブの議長に任じられたカルドーゾ前大統領は、新政権が公共債務の決済や国際金融を説得して外資流入を図り、潜在インフレも制御して、深刻化する世界情勢の中で難局を乗り切ることを期待すると述べた。
政府が当初意図していた審議会とは異なり、企業代表の攻略を警戒する労組代表の攻勢が、会議を一方的に押し切った結果となった。