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文協改革委討論会開く=参加者わずか100人=文協への関心の低さ露呈=20人が各5分、意見発表

2月11日(火)

 文協改革委員会は八日午前九時から、文協ビル小講堂で公開討論会を開いた。委員会メンバーや意見発表者、文協改革に注目する約百人が集まった。二十人近くが意見を発表した。各発表者五分の意見発表に終始し、活発な討論を期待していた参加者からは残念がる声も聞こえた。

 今回の討論会の会場となった小講堂の入り口に用意されたノートに記帳した人数は九八人。会場の二百席は空席が目立った。
 「このようないい天気の中、プールや海にも行かず、よくお集まりくださいました」
 土曜日の午前九時、改革委員会討論会は杉尾憲一郎委員のあいさつで始まった。杉尾委員は十月から六回開かれた改革委の会合について説明、「この討論会で多くの方の文協に対しての意見、提案をお願いしたい」と話した。
 渡部和夫委員は会合で一致した文協の役割、『日系社会の中心的役割・日本文化の継承・日系団体への協力、支援』などを確認し、「文協はブラジル社会に向けては進むべき」との考えを示した。他団体との協力関係の重要性、新執行部への期待についても言及した。 
 壇上には渡部、杉尾両委員、岩崎秀雄文協会長、佐藤宗一総領事館首席領事が着席した。
 まず、文協に本間重男アリアンサ文協会長や赤木政敏サンミゲール・パウリスタ文協会長たち七人が意見を発表した。
 杉尾委員はサンパウロ新聞社の『文協改革への提言』呼びかけに応じた寄稿者のなまえを読み上げ、その多くが地方からの投書によるものと明らかにし、「文協改革の資料にする」と話した。
 吉加江ネルソンさんは文協の構造や選挙の問題点に触れ、「定款の改正が必要」と訴えた。
 網野弥太郎さんは「文協はこういう会を十年毎に開くべきであった]と話し、「名称の変更、小委員会の整理、日系人協会を立ちあげ、文協はその一機関とする」などといった意見を披露した。
 脇坂勝則さんは文協の経理の問題を指摘したが、渡部委員は「次期執行部に委ねる問題]との姿勢を示し、岩崎会長は「文協に借金はない」と話した後、文協名義で百万レアルの貯蓄があることも明らかにした。
 宮崎マウリシオ青年文協委員長は「若年層を巻き込んでいくことは可能」とし、「委員会でも参加を呼びかけていく」と締めくくった。
 佐藤首席領事は「コロニアの活性化だけでなく文協は日本、ブラジル両国にとって重要な存在」との認識を新たにし、「文協改革への皆さんの熱意を感じた」と感想を漏らした。
 渡部委員は今回の呼びかけに対して、地方や他州からの反応があったことを報告。改革は委員会が行うものではなく、定款の改正も考えていると話し、シャッパ作成を含めた作業は三月末には終えると話した。
 今回の討論会に際して、文協から全伯の日系関連団体に約六百通の通知をしたものの、参加者は百人をわずかに越える程度という結果に終わった。地方文協からの参加も見られたが、参加者の中に若い世代はほとんどみることができず、文協への関心の低さを嘆く声もあった。