2月8日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙七日】PT過激派が六日、パロッチ財務相〃不信任〃声明書を発表したことで党執行部はいらだちをあらわにしている。同声明書の内容は、「財務相としての財政能力も医師としての診断能力も信任するに足りない」というもの。またエレーナ上議に弁明の余裕も与えない一方的処分へ党内から異論があり、執行部は同上議の除名撤回を検討中での出来事であった。
PT執行部は個人的中傷は許せないとし、声明書の撤回を求めた。財務相は低級な中傷だと受けとめコメントを避けているが、内心穏やかならぬ表情だ。ジルセウ官房長官は、終始沈黙を守った。大統領は声明書の波紋を懸念し、党内の意志疎通を促し、執行部は冷静に対処するように求めた。
しかし声明書を読みあげたアラウジョ下議は、撤回はないと断言。「医師のつもりで財務相として処方するなら国民を殺す。投薬を間違えたら、直ちに処方を変えるべきだ。マラン前財務相の処方は、低所得層を餓死寸前までに放置した。同じ処方を続けたら国民を死へ追いやる。財務相自身が、ブラジルは病んでいると言ったではないか」と記者会見で訴えた。
渦中の人エロイザ・エレーナ上議は五日、メルカダンテ上議(PT)と会談し余裕を見せた。ジェノイノPT党首も、党執行部の判断に任せると譲歩した。PT上議らは、同上議の処罰に反対し情勢が変化した。
エレーナ上議は、重要法案を党内でよく論議し下半期に議会へ上程するように提案して、党幹部の独走を牽制した。党の権威を保つため権力志向や野蛮的な方法によらない党議決定が大切だと、同上議が強調した。サルネイ上院議長の選出反対は、同上議の党歴を汚すこともなく除名にも値しないと述べた。
アラウジョ下議の声明書について、同上議は財務相の医師としての素質を批判したのではなく、経済政策を批判したのだと説明した。パロッチ氏の医師としての才能は評価するし、個人的にも診察を受けたいとジョークをとばした。