2月8日(土)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙七日】ブラジル航空業界最大手のヴァリグと同二位のTAM社が六日、六カ月以内に両社を経営統合することに合意した。対等合併や一方による吸収になるか、持ち株会社を新たに設立するかどうかは未定。統合が実現するまで両社は独自の運航を続ける。
両社が経営統合を目指した背景には、経営環境の厳しさがある。ヴァリグは約八億ドルの負債を抱え、TAMには月二千万ドルの航空機リース料が重くのしかかっている。また、燃料費の高騰やレアルの下落、三五%から四〇%に及ぶ値引き合戦も経営を圧迫している。
両社は経営統合により、便数の削減と運航コストの低減を行いたい考えだ。また、新規投資を呼び込むことも狙っている。
今回の合意は政府の後押しがあって可能となった。ヴァリグの債権団は経営統合を歓迎している。ただ、反トラスト法に抵触しないことがCade(経済防衛行政審議会)に承認されることや、経営陣の間に感情的しこりが残ることも予想され、統合実現には両社のさらなる調整が必要とされそうだ。