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PT、造反議員を処罰へ=過激派孤立化狙う=便乗議員の排除も画策=反主流派は結束工作

2月6日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】ジェノイーノPT党首は四日、サルネイ上院議長(PMDB)の表決に欠席したエロイザ・エレーナ上議(PT)を党則により処罰することを党執行部に提議した。同党首は、党員が党方針に従うのは原則であり、欠席も党則違反であると述べた。処罰はPTの党略で、過激派を徐々に孤立化させる狙いとみられている。いっぽう過激派は、孤立化を恐れて反主流派の結束工作を始めた。

 党の方針を党員らに徹底するため生け贄が必要であると考慮したジェノイーノ党首は、エロイザ・エレーナ上議の処罰を党執行部に諮った。もし同上議の処罰が承認されると、党則に従い除名処分になる模様だ。同上議の政治力をもっては、極左諸派をも過激派に巻き込み一大勢力に育て上げると党執行部はみている。
 PT党首は、党員が党方針に従って投票するのみならず欠席も許さないとした。大部分がPT人気にあやかって当選した便乗議員で、PT創立の精神もわきまえていないという。便乗議員を全て追放する訳ではないが、撹乱分子は粛正すべきと同党首は強調した。
 党執行部の強硬姿勢は、過激派議員に少なからぬ恐怖を与えたようだ。PTあってのPT議員であり、岡に上がった河童にはなりたくないらしい。
 処罰の俎上に上がっているのはエレーナ上議を初め、ブルーノ・マラニョン氏(伯社会党)、イヴァン・バレンテ下議(社会主義運動)、ネウソン・ペレグリーノ下議(同)、ジョアン・ババ下議(労働社会党)、ルシアーナ・ジェンロ下議(同)、マルクス・ソコル氏(労働党)、イリニ・ロッペス下議(左派連合)、ジューリオ・クアドロス氏(同)など。
 話題の人となったエレーナ上議は、処罰の理由が上院議長選を欠席したことではなく、党の欺瞞隠蔽のための魔女裁判であり、恐怖政治を敷くための見せしめだとも抗弁した。サルネイ上議の表決ばかりでなく、アントニオ・C・ギマランエス上議の表決やジャデル・バルバーリョ上議の表決でも欠席したのは、東北伯の悪習を現代に踏襲することへの抗議と身の安全のためだと訴えた。