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サルネイ氏 上院議長に=下院はクーニャ氏=対立候補なく議長就任=PT、PMDBを撹乱

2月4日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙三日】連邦議会は二日、ジョアン・P・クーニャ下議(PT)を単一候補で二〇〇三、四年任期の下院議長に賛成四百三十四票、白紙五十票、無効九票のほぼ全会一致で選出した。同下議は議長就任に寄せ、社会保障院、税制、政治改革を優先課題として早期解決することを約した。また上院では一日、ジョゼ・サルネイ元大統領8PMDB)が上議八十人のうち、五十一票の得票で辛うじてPTの思惑通り上院議長に選出された。

 ブラジルの憲政史上、元工員が大統領と下院議長に初めての就任となった。恒例の下院議長就任演説で、クーニャ議長は連邦令による立法府の権限擁護、緊急課題になっている一連の改革手続き、不正疑惑に関与した議員の早期解明を優先することを述べた。
 同議長は特に裁判所で係争中の下議六人について、議会は灰色議員の同居を許さないとして、即時に疑惑解明のため至急に審理を行い綱紀粛正を行うとした。この種の疑惑には今後、厳格に対処し一部議員の不品行のために議会が国民の不信を買うようなことはさせないと宣告した。
 下院議長は記者会見に応じて、下院の審議期間を短縮するため連邦令の一部改正を提案する発言をした。
一連の改革案審議を短縮するため、議院運営委員会の設立にPTがジルセウ官房長官の立ち会いを要請した。これにはPSDBやPFLの野党を初め、連立与党からも強い反発があった。
 同委員会のメンバー選出を前に、PTとPMDB間が緊張している。PMDBが最終的にサルネイ議長候補に合意した代償として、同運営委員会の第一書記にジェデル・B・リーマ下議(PMDB)を推薦したが、PTがPMDBを造反したジョゼ・ピノッチ下議(PMDB)を推薦したことで党内撹乱を恐れたようだ。
 いっぽう上院議長選では、当初のPTとPMDBの合意がPMDB内の足並みの乱れで、同党推薦のレナン・カリェイロ上議の党内調整に失敗した。PT推薦の非主流派サルネイ元大統領(PMDB)がPTの思惑通り、必要票四十九票プラス二票の五十一票を獲得、辛うじて議長に七年振り返り咲いた。