2月4日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙三日】景気動向の様子見で拡張計画を過去二年間保留していた産業界が、最近増産に向けて設備投資を始めたとジェッツリオ・ヴァルガス財団(FGV)は一日、報告した。
ドル高による輸入資材の高騰で現地生産に踏み切る外資系企業やイラク情勢の険悪化想定のもとに生産開始に入る軍需産業、またPT政権が優先分野に奨励政策を打ち出し、当初懸念された抜本改革も中止となり増産拡張に賭ける企業が多くなったという。
FGVの調査によれば、増資を発表した一千二百社は今年、昨年比七%増の生産拡張を行うようだ。ヴァレ・ド・リオドーセ社の設備投資十八億ドル増資を筆頭に、ベルゴ・ミネイロが三億二千万ドル、ジェルダウが二億ドル、ヘクサルが一億ドル、ルッパが六百万ドル、モトローラが四百万ドル、サンスンが三百万ドルなどとなっている。
この傾向は、ブラジルの未来に投資する意欲の芽生えとFGVはみている。携帯電話のモトローラは、販売が予想をはるかに上回り、昨年比六%増の売上でブラジルの市場シェアの二五%を握ぎるに至った。
韓国系のサンスンは、輸出向けのコンピュータ用HDを製造している。現在の生産能力の年産八十万個を百五十万個規模に設備投資を行い、南米諸国へ製品の三〇%を輸出する予定。その他増産に向けで設備投資や設備の近代化に踏み切った企業が、軒並みだ。