1月31日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙三十日】新政権の鳴り物入りの「飢餓ゼロ計画」が三十日、細部事項で未解決のまま始動することになった。前政権から引き継いだ児童向けの奨学金制度や給食制度などを含めて六十種類の社会福祉制度が懸案中であったが、その一部がピアウイ州を皮切りに試験ケースとして実施される。来月十五日からTVやラジオを通じて、同計画の資金調達キャンペーンも始動する予定だ。
新政権の看板ともされる「飢餓ゼロ計画」について三十日午後三時、プラナルト宮で諸団体代表と欧州を初め海外の社会福祉関係当局者の出席のもとに、数々の未解決問題を残したまま開幕の式典を行った。
ルーラ大統領が昨年十月、時代の発展から取り残された底辺の弱者に手を差し伸べることを訴えて、有志の協力を求めた計画が結実した。これまでに新政権が実施したのは、奨学金の増額、食品配給カードの配布、食料援助委員会の設置など三事業とされている。
食品配給カードでは一家族当たり月五十レアルを連邦カイシャ・エコノミカから受け取る。来月三日からピアウイ州を始め全国九百五十九カ所のポストで、該等家族が登録される。購入した食品の伝票を提示するか否かは未決定。その他、ポストでは雨水貯水槽と住宅改修用建材の配給、文盲教育なども行う。
食料援助委員会は六十人の委員からなり、各所に責任者を任命する。政府はTV、ラジオ放送局の協力で無料キャンペーンを取り付け、有志の預金または現物供給を、来月十五日から受け付け開始する。
「飢餓ゼロ計画」のプロセスには海外の福祉関係者も視察のために来伯、国際レベルの関心事になったことで、大統領は感激している。グシケン長官の指揮でグラジアノ長官、オデ・グレジェ補佐官、ベット神父は二十九日、同計画の未解決問題の詳細について打ち合わせを行った。
八月に同計画は完了予定で、二〇〇四年から二〇〇八年の複数年予算確保のため申請案を議会へ上程する。