米国サンフラシシスコで発行されている邦字紙『北米毎日』が新年早々四回にわたり「真珠湾ぼっ発の真相」―ジャネット・ランキン下議の演説―を連載した。要旨は「日本が戦端を開いたのは、(相手諸国に対して)裏切りでなかった」である▼同紙が六十年前の演説の日本語訳を発掘して掲載したことに「こうした事実を埋もれさせておくものか」という強い意志を感じ取ることができる▼同下議は、生涯を平和運動に捧げた女性で、対日宣戦布告に唯一反対した議員だった。ちなみに第一次、第二次世界大戦の際、議会による参戦決議にも、ただ一人反対投票した人として知られる▼演説は、真珠湾ぼっ発からちょうど一年後の一九四二年十二月八日、下院で行われた。「ルーズベルト大統領は軍需品のみでなく、日本国民の日常生活上、欠くことができない商品まで禁輸した」「米国参戦にチャーチル英国首相が(大西洋会議で)圧力をかけた」▼「米海軍軍令部長は、太平洋艦隊司令長官に対し、日本海軍の真珠湾攻撃の八日前から日本軍の攻撃がある旨毎日警告していた」「実戦部隊は、真珠湾の九日前から、太平洋上、上空で発見されるあらゆるものを撃沈、撃墜せよ、と特別命令を受けていた」▼最後の項はとりも直さず、大統領が宣戦布告を行わず、日本に対する攻撃命令を出していた、と解釈できる、演説はそういっている▼六十年後の今日、イラクと米英両軍は互いに宣戦布告なしに戦争状態に入るのであろうか。(神)
03/01/31