1月30日(木)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十九日】ルーラ大統領やパロッチ財務相とフランスで会談をした国際通貨基金(IMF)のケーラー専務理事は二十八日、大統領を〃老練の社会主義者〃と評した。米政府に正面からものが言える唯一の硬骨漢と賛辞を送り、ブラジルの経済政策を全面的に支援すると表明した。また大統領はシラク仏大統領と共にエリゼー宮で記者会見に臨み、米英軍のイラク攻撃を「狂気の沙汰」と表現した。
PTが野党時代に地獄の使者呼ばりをしていたIMFのケーラー専務理事と大統領、財務相の会談は、駐仏ブラジル大使館で異例の長時間にわたって行われた。専務理事は大統領を、国際舞台の新リーダーと位置付けをし、財政黒字四%の自主的引き上げと指標金利の引き上げを評価した。
汚職と脱税が日常茶飯事としてまかり通る国での財政黒字の引き上げは、一石二鳥の効果があるので適切な対策と専務理事は称賛した。几帳面な財政黒字の確保が、国際金融にとって戦争の影響や不安要因を緩和させる特効薬と表明した。
イラク攻撃が行われたとしても瞬時に終わり、原油の高騰も国家経済への影響は軽微に済むとIMFはみている。イラクを叩いてもテロは終焉しないし、世界経済の不確定要因は長く続くと専務理事は述べた。
大統領はエリーゼ宮でシラク仏大統領とともに記者会見に臨み、昨年十二月ブッシュ米大統領との会見のおり、ルーラ大統領が社会主義者代表として幟色を鮮明にしたと述べた。イラク攻撃に対する米政府の態度は、無分別だと断言した。イラク対処は国連査察団が調査をし国連安保理が結論を出すべき点で、伯仏は同一見解であると声明した。
アモリン外相は大統領発言の「イラク攻撃は狂気の沙汰」で、伯仏独が結託した反米枢軸と白眼視される心配はないと述べた。ブラジルのことも南米のことも、米大統領の眼中にはないと見ているようだ。
外相は、米政府が本気でイラク攻撃を行うなら、すでにタイミングを失していると述べた。現在の米政府のジェスチュアは同盟国の出方を観察して攻撃を断念する口実を探し、大国のメンツを保つことを考えているのだと語った。