1月30日(木)
[既報関連]日本に出稼ぎに行っている人の雇用先と留守家族が話し合う「留守家族との懇親会」のために、主催する川崎市のNKKウイング株式会社から保田博通・取締役人事部長が着伯した。二十八日、先週から来伯していた人事室の国吉真一さんと共に来社した。
同社は日系人約百四十人を雇用しており、日本人と同様に正社員への道が開かれている。現在日系ブラジル人の正社員は六人。日本で仕事をするならば「できれば家族で来てほしい」という方針だが、二年ほど前から単身で来る人の留守家族が気になり始め、今回の懇親会開催の運びとなった。
保田取締役は「言葉の問題を考えなければ、日本人より遥かに優れた資質を持つ日系人が多い」と話す。今の日本人の若者にはないバイタリティや、日本移民から引き継いだ古き良き価値観が、仕事に生かされているという。また、賃金についても要求を率直に話してくれるので、日本人よりも「分かりやすい」とも。
日本で日系ブラジル人を雇用している会社が、単独で留守家族との懇親会を開くのは初めて。「人事屋として、(留守家族に)会ってみたかった」という。
保田取締役が「普段は全く(日系人だと)意識しない」という国吉さんも、二世の正社員の一人だ。今回の滞在では八年ぶりに、サント・アンドレーに住む両親と再会した。ブラジルでは工学部を卒業、日ポ両語を使いこなし、今では人事室で社員から頼りにされている。
懇親会開催は二月一日、二日。保田取締役は懐かしい面々と会うなどして今回の滞在を過ごし、二月六日に帰国する。