1月25日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四日】世界経済フォーラムに対抗してグロバリゼーションに反対する団体が二十三日、ポルト・アレグレ市に集まり世界社会フォーラム〃反ダボス会議〃を開会した。世界百二十六カ国から約十万人の参加が見込まれている。同会議には、自由貿易に反対する農業団体や環境保護団体が集まり協議や展示、コンサートなどを催す。ルーラ大統領は昨年まで反ダボス会議を支援してきたが、今回は掛け持ち出席となることを説明した。
社会フォーラムの開催に先立ち、参加者七万人がポルト・アレグレ市中心街の大通りでデモを行った。それぞれの垂れ幕には国際通貨基金(IMF)や米州自由貿易圏(FTAA)、世界銀行(BIRD)による〃植民地支配〃への抗議が目立った。
開会式は二十三日午後八時から始まり、大統領はダボス会議へ赴き社会フォーラムの存在を訴えると述べた。益々離反する先進国と途上国の歩み寄りのため新国際社会協定を締結し、富める国は餓死者を抱える極貧国へ富の再分配を要求することにも言及した。
大統領はベネズエラ友好国会議の設置で国際外交の初舞台を踏んだが、ダボス会議では第二のチャンスが巡ってきたようだ。同会議では米国のパウエル国務長官がイラク攻撃の妥当性を訴えるとみられている。世界を同時不況へ突き落とす可能性があるイラク攻撃は、多くの有識者が憂慮するところとなっている。
このような状況のなか、大統領が米国を正面からイラク問題に、あくまで外交解決を訴え米の首に鈴をつける役をかって出るらしい。イラク攻撃に対するブラジルの立場を鮮明にし仏独首脳の合意のもとに、さらにイラク攻撃の反対支持国を募る考えでいるようだ。