1月24日(金)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十三日】ルーラ政権に入って初めての中央銀行第一回通貨審議会(COPOM)が二十二日、指標金利(SELIC)を二五%から二五・五%へ引き上げることを決定した。これは大統領の信任を得たメイレレス総裁と前政権から留任した審議会メンバーによって決められ、為替危機を体験した一九九九年五月の水準に次ぐものとなった。金利引き上げにも関わらず、ドルは続騰した。
金利引き上げ決定は、前政権から留任した七人の審議会メンバーとメイレレス中銀新総裁によって合意された。引き上げの理由は、インフレが収まりつつあるものの蘇生の要素はあるとみて金融市場の信用確保のための歯止めとした。
過去二年のインフレ目標が未達成であった。さらに今年の当初目標六・五%を達成するため、これ以上の高金利政策をとるとリセッション突入の危険性が高いことで、インフレ目標を八・五%への引き上げることをパロッチ財務相に報告したばかりだ。
与党PTの公約で積極経済政策により金利は下降基調になるとみていたことで、今回の金利引き上げ決定を批判した。野党は中銀決定を妥当だとし、前政権時代と席が正反対に入れ替わったことに苦笑している。
ジェノイノPT党首は小さな声で、引き上げは不本意であるが、インフレ抑制のための苦肉の策と述べた。PT内では、総裁の主人はPT政権かボストン銀行かと、中銀を私物化しているという過激論まで出た。
工業部門は、反応が二分しているようだ。サンパウロ州工業連盟(FIESP)は金利引き上げを信用回復の手段と認め、全国工業連盟(CNI)はブレーキ掛け放しの走行にみたて、意味のない金利引き上げであったと批判している。
労働組合は金利引き下げによる経済再生と雇用創出を、全ての労働者が首を長くして期待しているという。PT政権の誕生による変革を期待していた労働者にとって、初仕事が金利引き上げは失望というしかないと統一労組が声明した。
いっぽう金融業界は昨年、記録的営業益を上げたところへ再度金利引き上げのニュースで沸いている。〇・五%の引き上げで銀行には、さらに十九億三千万レアルが転がり込むという。