1月24日(金)
【アゴーラ紙二十三日】大サンパウロ市圏イタペヴィー市で今年、五十一件のデング熱罹患(りかん)が確認され、住民たちは小さな敵・ネッタイシマカ(Aedes aegypti=デング熱の媒体蚊)に脅えている。
サンパウロ市から四十三キロ西方の人口十七万三千人ほどの同市で現在、百人以上のデングウイルス確認検査が行われている。サンパウロ州保健局によると今年、サンパウロ州の中で最もデング熱が流行している市だという。
イタペヴィー市の多くの市民が、水道局が配給している水からネッタイシマカのボウフラが流れ出てきたと証言。それに対し水道局側は、「水道管の中で水は常に流れており、ボウフラが育つことはできない。ボウフラが育つ好環境は、動かない水がある場所である」と返答した。
これほどはっきり答えた水道局だが、二十二日、同市との会議の後、不法につくられた水道管の検査を念のために実施すると表明した。
イタペヴィー市内の主なデング熱流行地区は、ジャルジン・ロジメイレ区とパルケ・スブルバーノ区。この付近の市民は、誰でもデング熱にかかっている知り合いがいるという。
同地区に住むアラウージョ家の姉妹二人が、デング熱にかかった。同家の婿、ネイウトンさん(三一)は、以前からネッタイシマカ対策をしており、貯水タンクに網、ビニールをかけ、さらにふたをする用心さ。それでもタンクの中にはボウフラがいるという。「どう考えても、水道管から入ってくるとしか思えない」とネイウトンさんは言う。
同地区のもう一人の住民、ロジネイ・R・オリヴェイラさん(三五)も、蛇口を開いてボウフラが落ちてきたと話す。すでにデング熱にかかったオリヴェイラさんは、「この水は、道路から直接くる水なんだ」と説明する。
現在のサンパウロ州デング熱罹患件数ランキングは、次の通り。
一位イタペヴィー市、五十一件。二位ジャンジーラ市、三十六件。三位パラグアスー・パウリスタ市、二十三件。四位グアララッペス市、十九件。五位アラサトゥーバ市、十六件。六位マリーリア市、五件。七位カンピーナス市、三件。八位リベイロン・プレット市、セルトンジーニョ市、グアルジャー市、二件。十一位スマレー市、アシス市、一件。