外国人排斥法(案)に断固反対――パラグアイの話題である。同国の日系移住地にも大いに関わりがある、と予測し、日本人会連合会が役員会で対策を協議している▼法案は、正式には国境保安地帯設置法。国境五十キロメートル以内における外国人の土地保有、企業活動禁止。所有している外国人は十年以内にパ国人に土地を売却しなければならない、などが盛られ、すでに昨年十月、下院を通過、上院に上程されている▼同国で営農している日本人、日系人の土地は、ほとんどこの五十キロ以内に該当しているといわれる。連合会の役員会の席上、たとえ法案が成立しても、パ国籍の二世に土地の名義を変更すれば問題はないのではないか、といった見解も出されたが、事はそんなに簡単ではないとする危惧が大きいのも現実のようだ▼パラグアイの日本人移住者たちは、過去、不法侵入問題で苦い経験をしている。外国人は土地を保有出来ないという法律を盾に取られ、不測の行動に出られ、結局は居座られる――そういった心配である▼移住者たちには、四十年余りの間、汗と資本をつぎ込み、土地を育ててきた実績がある。また日本政府も莫大な無償有償の融資を行ってきている。法案は、そうした過去の努力を無にしようとしている、ととらえられている▼日本人よりも多くの入植者、資本を投下しているブラジル、ドイツ、アルゼンチンの商工会議所も《権益》を犯されまい、と動き出した。上院の今後が注目される。 (神)
03/01/24