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少年院暴動仕掛ける職員ら=超勤手当て欲しさに=反対する職員は解雇処分に

1月22日(水)

 【既報関連=エスタード・デ・サンパウロ紙二十一日】サンパウロ州未成年者支援財団(Febem、日本で言う少年院と少年刑務所が合体した施設)で発生した暴動のほとんどが、実はFebem職員の給料調整や残業を交渉するために利用されていることが明らかになった。専門家によれば、暴動が起これば起こるほど、〃暴動を鎮静するために〃職員の勤務時間が増えるためだという。
 サンパウロ総合大学(USP)のマリア・L・マルシーリオ教授は、「Febemでは、残業交渉がビジネス化している」と言明。カトリック大学のマリア・C・ヴィセンチン教授も、「暴動は給料調整や特別恩赦を受けるための圧力であり、結果的に少年たちは、職員らにうまく利用されてしまう」と、マルシーリオ教授の意見と一致している。
 ブラジル弁護士会(OAB)付属人権擁護委員会のフランシスコ・L・フランサ委員は、「警察とのつながりを持つ汚職職員らの中には、Febem幹部職者もいる。監視官に少年たちを教育するよう指導するのではなく、少年たちを抑圧する規則を強制している」と摘発している。
 フランサ委員は、汚職職員たちが、ほとんどの暴動を誘発させてきたと考えており、例として、職員八人に殴られる少年を見て暴動を起した少年たちのケースを挙げた。「少年たちの拷問に反対する職員は、すみやかに解雇される。さらに不平等なFebem委員会は、告発側を悪者に仕立て、拷問や遺漏問題で告訴された幹部職者を今まで通り維持させる」と暴露している。
 フランコ・ダ・ロッシャ市Febemの匿名希望の職員によると、職員の一〇%から一五%が、汚職職員の少年抑圧策に従っている。ほとんどの職員は、正当な教育を少年たちに施したいと考えているが、汚職体制がはびこり不可能だという。「教育的な姿勢を見せれば、現在の職務から外され、『少年の手下』とみられる。暴力を受けた少年をかばえば、陰で自分自身が脅されるほか、その少年がさらに暴行を受けることになる」と証言している。
 Febem労働者組合のアントニオ・G・シウヴァ組合長は、「毎月三百時間に及ぶ残業に疲れた職員たちの方から『残業を無くしてほしい』と言ってきたのに、残業欲しさに暴動を起させるのはおかしい。職員が少年たちの抑圧をしなければ、暴動を促すと批判される。抑圧をすれば、暴力団としてみられる」と弁護した。