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空前の剣道ブーム!=非日系剣士が急増=うれしい悲鳴上げる道場=売れ行き好調の『宮本武蔵』

1月18日(土)

 今、剣道が熱い。サンパウロ市内の多くの道場で入門者が昨年から急増している。非日系の剣士も道場によっては半数を占めるほど。九九年には『宮本武蔵』がポ語に翻訳され、剣道漫画『バガボンド』や『サムライX』も書店やバンカなどで好調な売れ行きをみせている。今までにない剣道ブームの到来について関係者に話を聞いた。
 今、剣道が熱い。サンパウロ市内の多くの道場で入門者が昨年から急増している。非日系の剣士も道場によっては半数を占めるほど。九九年には『宮本武蔵』がポ語に翻訳され、剣道漫画『バガボンド』や『サムライX』も書店やバンカなどで好調な売れ行きをみせている。今までにない剣道ブームの到来について関係者に話を聞いた。
◇本文
 現在、サンパウロ市内でパウリスタ剣道連盟に所属している道場は十六カ所。そのほとんどの道場で入門者が増えている。一昨年までは連盟への登録者数は約四百人と横ばい状態を続けていたが、昨年になってその数は六百人を越えた。
 この数字はあくまでも登録者数で実際に稽古をしている生徒の数はもっと多いと関係者はみている。
 月曜と土曜日に指導を行う三重県人会剣道部では五十人程度だった部員が現在は八十人。「入門者が多いため、初心者クラスを増設した」という。
 文協体育館の事務室に勤める前渕アウロラさんによれば、長年四十人を超えなかった同剣道部員も昨年は七十六人に上り、現在でも六十九人を数える。十四日の初日稽古の日にも三人の入門希望者が道場を見学に訪れた。
 ブームとなっている剣道漫画や九九年にポ語に翻訳され、日本文学の翻訳物としては大ベストセラーとなった「ムサシ」(原作=『宮本武蔵』吉川英治著)の影響もあるとの見方もある。実際多くの剣道を学ぶ生徒たちは「ムサシ」を読んでいるか、その本の存在を知っている。
 「ムサシ」を翻訳した後藤田怜子さんは「『宮本武蔵』という人物にひかれて『個人的』に訳したような本がここまで売れるとは予想もしていなかった」と話し、「それが剣道ブームに結びつくなんて」と驚きを隠さない。
 「特に推敲を重ねて訳した日本独特の精神やものの考え方に共鳴する若者から声を掛けられることもしばしば」ということからもその反響は窺い知れる。 
 しかし、パウリスタ剣道連盟の小島シュウトク会長は一昨年前から行ってきた宣伝活動の影響が大きいと強調する。同連盟ではインターネットのサイトや新聞などに広告を出し、生徒募集に努めた。
 小島会長は「理由はどうあれ、剣道を学ぶ人が増えてきたのは喜ばしいこと」と話し、「剣道をきっかけに日本文化や歴史に目をむけてもらえるよう」これからも広く宣伝活動をしてゆくという。
 一方、実際に稽古をつける指導者の中には冷めた見方もある。文協剣道部で長く『日本式』で指導を続ける松本善方(まさお)さんは「興味を持って入ってくる人も多いが、続くものはほんの一握り」と厳しい。
 剣道指導者によると最近の入門者の共通した傾向として「強いものへの憧れというより、東洋的な精神や考え方、規律などに関心を持って来る人が多い」点を挙げ、それを理解出来る人の方が長続きするとも話す。
 ブラジル人の日本への興味の対象が見た目の美しさや奇異さに魅かれた時代は過ぎ、日本の深層文化へと変わっているのかも知れない。

 現在、サンパウロ市内でパウリスタ剣道連盟に所属している道場は十六カ所。そのほとんどの道場で入門者が増えている。一昨年までは連盟への登録者数は約四百人と横ばい状態を続けていたが、昨年になってその数は六百人を越えた。
 この数字はあくまでも登録者数で実際に稽古をしている生徒の数はもっと多いと関係者はみている。
 月曜と土曜日に指導を行う三重県人会剣道部では五十人程度だった部員が現在は八十人。「入門者が多いため、初心者クラスを増設した」という。
 文協体育館の事務室に勤める前渕アウロラさんによれば、長年四十人を超えなかった同剣道部員も昨年は七十六人に上り、現在でも六十九人を数える。十四日の初日稽古の日にも三人の入門希望者が道場を見学に訪れた。
 ブームとなっている剣道漫画や九九年にポ語に翻訳され、日本文学の翻訳物としては大ベストセラーとなった「ムサシ」(原作=『宮本武蔵』吉川英治著)の影響もあるとの見方もある。実際多くの剣道を学ぶ生徒たちは「ムサシ」を読んでいるか、その本の存在を知っている。
 「ムサシ」を翻訳した後藤田怜子さんは「『宮本武蔵』という人物にひかれて『個人的』に訳したような本がここまで売れるとは予想もしていなかった」と話し、「それが剣道ブームに結びつくなんて」と驚きを隠さない。
 「特に推敲を重ねて訳した日本独特の精神やものの考え方に共鳴する若者から声を掛けられることもしばしば」ということからもその反響は窺い知れる。 
 しかし、パウリスタ剣道連盟の小島シュウトク会長は一昨年前から行ってきた宣伝活動の影響が大きいと強調する。同連盟ではインターネットのサイトや新聞などに広告を出し、生徒募集に努めた。
 小島会長は「理由はどうあれ、剣道を学ぶ人が増えてきたのは喜ばしいこと」と話し、「剣道をきっかけに日本文化や歴史に目をむけてもらえるよう」これからも広く宣伝活動をしてゆくという。
 一方、実際に稽古をつける指導者の中には冷めた見方もある。文協剣道部で長く『日本式』で指導を続ける松本善方(まさお)さんは「興味を持って入ってくる人も多いが、続くものはほんの一握り」と厳しい。
 剣道指導者によると最近の入門者の共通した傾向として「強いものへの憧れというより、東洋的な精神や考え方、規律などに関心を持って来る人が多い」点を挙げ、それを理解出来る人の方が長続きするとも話す。
 ブラジル人の日本への興味の対象が見た目の美しさや奇異さに魅かれた時代は過ぎ、日本の深層文化へと変わっているのかも知れない。