1月11日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十日】国家公務員が注視する中、社会保障院の制度改革に向けてリカルド・ベルゾイニ総裁は九日、軍人も含めた官民同一制度の改革原案を公表した。現職の公務員は、同案によって議会承認日までの現行法が定める権利を保証されるとしている。同案可決後は表決前と表決後の二重権利を有することになる。前制度による軍人や法務関係職員の特権は同案の表決と共に無効となり、新制度に準ずることになるという。
ベルゾイニ総裁が提示した改革原案によれば、表決前の年金は、それまでの勤務年数により算出される。表決後の年金は新制度により減少するので表決前の勤務年数が少ない程、ショックは大きいといわれる。すでに年金を受給している場合は、原則として対象から外している。
同総裁は四月までに、各政党や各分野代表者と協議して大統領に提出する予定という。五月に連邦令補足案として議会法務委員会で審議を受け、六月は両院本会議で表決を行う段取りとなっているようだ。
社会保障院の債務は現在、総額で七百億レアルに達しており、制度欠陥が明白で長期間放置できない状態にあるとした。年金生活者からの引当金徴収は、おそらく結論の出ない論争になると同総裁はみている。
同総裁の個人的見解では、公務員の社会保障制度改革に連邦令改正は不要という。公務員年金に関する社会保障院の管理システム条例と不正手続きに対する刑事罰などの法整備を行えば事足りると考えている。
新制度の年金上限を上方修正するようにPT党内から意見があるが、原則として原案は上限を一千五百六十一レアルに守り、それ以上の年金希望者は別枠制度による掛け金を納入する制度を設けるという。
制度改革をしても直ちに
社会保障院の累積債務は減少しないが、既存の年金生活者が減少する八年後くらいから下降カーブを描くと同総裁はみている。もし改革原案が否決される場合は、前政権上程の全員一律三十五年間、掛け金納付後に年金受給の対象となる前案を同総裁は支持するという。