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金融市場に改善の兆候=通貨急伸し株上昇=緊縮財政策早くも奏功=社会保障院改革にも好感

1月8日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙七日】新政権への期待感から投資家が通貨レアルを買う動きが強まり外国為替市場が六日、先週末終値比三・一二%高の一ドル=三・三五レアルで取引を終えた。カントリー・リスクは四・六六%下げ一・二六八ポイントとなり、六月十七日の水準へ戻し、取引指数は三・六一%上昇した。これで国内企業や金融筋が今月、国際金融市場で外資五億ドル以上を獲得することから、さらに市場への流通量増加で好調が予測されている。

 パロッチ財政相が財政黒字の目標引き上げを表明したことと社会保障院が改革に取り組み始めたことで、投資家が新政権の財政状況は予想以上に良いとの観測が市場に広がった。C-Bond(外債証券)は二・六五%も上げ、額面の七〇・一二五%へ引き上げた。
 この市場回復の兆候で、国内企業や銀行が国際金融市場から入手見込みの外貨はブラデスコが一億ドル、ペトロブラスが二億ドル、BBA銀が六千万ドル、ジェルダウ鉄鋼が七千五百万ドル、ABN銀が五千万ドル、Basfが五千万ドルなどと見られている。
 外資の流入攻勢が始まったことで、金融市場には手持ちのドル通貨目減りを恐れて大量に売りが出ると予想されている。新政権が従来の路線継続を唱え続けるなら、さらにドル売りとC-Bond買いに拍車が掛かり昨年七月以来、停滞気味だった為替市場はドル安基調に入るものと金融関係者は予測している。
 ブラジルのカントリー・リスクは、イラク攻撃を初めとする中東情勢などの外的要因だけとなりそうだ。ブラジル金融市場の懸念は、米政府の出方次第で今後の動向が左右されるので一蓮托生と見られている。
 新政権の政策スタイルは予想外に保守的であり、C・Bondの配当も悪くないことで魅力を増しつつある。カントリー・リスクは、九月末の二・四四三ポイントから見れば四八%も下げた。
 次のハードルは、十六日満期の十八億ドル債務の決済に掛かっている。メイレレス新総裁は債務削減を公言しており、全額決済は無理でも部分決済なら必ず行うと関係者は見ている。

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