6月14日(土)
【アゴーラ紙、時事十三日】ブラジル人の半数が最低賃金の半分から二倍(四百八十レアル)以下の収入で生活していることが十二日、ブラジル地理統計院(IBGE)が発表した二〇〇二年度社会指数報告書で明らかになった。国内で最も貧しい北東部では、この比率が六〇%まで上る。IBGEは二〇〇一年の統計に基づいて集計した。
逆に所得階層で上位一〇%の収入は、下位四〇%の収入の約十八・三一倍にも及び、貧富の差がいまだに著しいことが分かる。上位一〇%の収入は平均二千七百レアルなのに対し、下位四〇%の収入は平均百四十九レアルにとどまった。
収入面での貧富の差を分析すると、人種格差が浮き彫りになってくる。ブラジル人の比率は、白人が五三・四%、黒人と白人の混血児(パルド)が四〇・四%、黒人が五・六%。だが所得階層上位一%を見ると、白人の割合は八七・二%に増え、パルドと黒人は計一二・八%のみ。下位一〇%では、白人が三二・七%なのに対し、パルドと黒人は計六七・三%と過半数である。
ブラジルの黒人や、黒人と白人の混血児(パルド)の平均収入と白人の平均収入を比較すると、例え両者が同程度の教育を受けていても、黒人やパルドは白人より収入が少ない傾向がみられる。
IBGEの調査結果では、学歴が高いほど平均収入も良いとあるが、人種によって差があることも分かった。黒人やパルドで四年生まで勉強した人の平均時給は一・五レアルだが、同じ条件にある白人は二・三レアルの時給を得ており、黒人種より〇・八レアル多い。
黒人やパルドへの格差があるように、男女の間でも格差があり、女性の収入はいまだに男性に劣っている。収入が少ないほか、二十五~二十九歳の女性の八二・三%が、少なくとも一人の子供を持つため、労働条件も過酷である。
人種・男女格差でみると、白人女性の平均収入が黒人男性の平均収入を四〇%近く上回っている。ブラジル人の白人男性の平均月収は八百七十四レアル、白人女性は五百八十三レアル。これに対して、黒人男性の平均月収は四百二十二レアル、女性は二百九十六レアルと白人の月収を下回っている。
また同調査によると、六十歳以上の高齢者の間で働き続ける人々が多く、うち七七%が定年退職による年金や補助金を受けている。六十歳以上の男性の三六%、女性の一七・三%が、仕事を続けている。