10日のヴィトーリアを皮切りに、ブラジルで2014年ツアー「アウト・ゼア(Out There!)」を行っているポール・マッカートニーが25日、最終公演地であるサンパウロ市での第一夜のコンサートを、19日にオープンしたばかりのアリアンツ・パルキで行ったと26日付伯字紙が報じている。
25日はサンパウロ市を襲った強い雨のせいで多数の観客の入場が遅れたため、主催者が開演を45分遅らせ、間を持たせるためにポールの歴史を振り返るビデオや曲を流した。
その音質と画像はお粗末で観客も痺れを切らしつつあったが、その不満は、最初の曲「エイト・デイズ・ア・ウィーク」の演奏と共に吹き飛び、「ペイパーバック・ライター」や「ラヴリー・リタ」などのビートルズおなじみの曲が、スタジアムを埋め尽くした4万5千人の観客の心に火をつけた。
コンサートはポール自身がポ語も交えてリードし、四つの新曲も織り込んで観客を魅了。公演前の音響テストではアリーナ席サイドエリアでギターの音に鋭さがみられないなどの難点があったが、本番ではそんな懸念も吹き飛んだ。25日のステージは2010年以来15回目のコンサートで、会場には常連となった観客も大勢いた。
ポールはコンサートの中で「マイ・ヴァレンタイン」を妻ナンシーに、「メイビー・アイム・アメイズド」を最初の妻リンダに捧げた。またビートルズ時代の盟友で亡くなったジョン・レノン、ジョージ・ハリソンにも「ヒア・トゥデイ」「サムシング」を捧げた。定番の「レット・イット・ビー」や「ヘイ・ジュード」は後半に盛り込まれ、満員の観衆の大合唱も巻き起こった。
25日のステージは午前0時半まで続き、26日の最終公演のチケットも完売している。