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承認を喜ぶ幸村理事長
承認を喜ぶ幸村理事長

モジ文協=新定款をすんなり円満承認=中央日本人会との事前会合へて=双方が歩み寄り折衷案に

 モジ・ダス・クルーゼス文化協会(幸村ペドロ秀樹理事長)が新定款を作成したことから、モジ中央日本人会(以下、中人会)など傘下団体から「セントロの会館売却の準備か」との噂が広がっていた問題で、26日夜7時から同会館で再び臨時総会が開催され、双方の歩み寄りにより無事に新定款が承認された。幸村理事長は「これで本格的に来年の秋祭りの準備に入れる」と胸をなでおろした。

質問する中人会の藤井喜次郎さん、その左が松本茂さん

質問する中人会の藤井喜次郎さん、その左が松本茂さん


 10月1日に行われた新定款承認のための臨時総会は、「会館売却のためか」との噂が事前に広がり、中人会の会員を中心に異例の約170人(通常なら約30人)が出席し、最後の方では声を荒げる場面まであった。
 その後、中人会を代表して松本茂さん(同評議委員会副会長)を長とする8人の特別委員会が選出され、文協役員と内容を話し合う会合が3回ほど持たれ、定款案を10カ所ていど変更する〃地ならし〃をした上で臨んだ。
 約80人が出席した今臨時総会の冒頭で、松本さんは「当初は細かい問題あったが、最終的に合意した」と経緯を説明すると同時に、「昔から定款の日本語訳は作られてきた。各地の日本人会にはポ語が不得手な人がまだいるから、できるだけ早くこの定款を日本語訳することをお願いする」と執行部に注文すると、会場から拍手が湧いた。議長を務めた中山喜代治さん(モジ文協評議会会長)は、「承認され次第、翻訳作業に入る」と約束した。
 前回最も問題となった評議員選出に関する条項は、文協側が中人会の主張する現状維持案を呑んだ折衷案となった。傘下団体は会員10人当たり一人の評議員を出せるので、傘下7団体から現状通り約60人が選ばれる。うち、約30人は最大団体の中人会が占めている。
 加えて、減る傾向にある傘下団体の会員数を補うために、スポーツ施設の活用を打ち出している文協が若手個人会員を増やし、そこからも評議員を選出(上位30人までが正評議員、次点の15人が補欠)する。合計は約90人。
 また会館などの資産を売却、賃貸する場合は、執行部が決めるのではなく、総会での決議が必要と明記されている。
 各章ごとに変更点が読み上げられ、次々にすんなりと承認され、午後9時に閉会した。出席者の吉田武登さん(69、愛媛)は、「前回はケンカ腰だったが、今回は双方が事前に話し合っていたからスムーズに運んで良かった」と満足の表情を浮かべた。
 旧定款は86年作成で、民法改正のたびに修正が加えられ、継ぎ接ぎで膨大な頁数になっていた。秋祭りで政府補助金を申請する際には、定款コピーを認証して添付する必要があり、その費用だけで700レアル以上かかっていた。昨年11月から定款作成委員会が法律事務所と共に毎週会合を開き、今年7月まで多大な時間を費やして作成していた。