公益財団法人オイスカ(中野良子総裁)の副理事長、渡邉忠さん(71、福島)が、サンパウロ市チエテ川沿いで行う植林事業「日伯友情の森づくり」第2弾の企画立案調査のために9日から15日まで滞在した。
第1弾はオイスカ・ブラジル総局とブラジル・ニッポン移住者協会による『21世紀の森作り 全伯植樹キャンペーン』として08年6月から展開した。チエテ川沿いのエコロジコ公園内の100ヘクタールに10万本植える計画が今年で一区切りつき、12日に現地を再訪した。「当初は何も出来ない場所といわれたが、今では緑が生い茂る森林が形成された」と成果を報告した。
現在企画しているのは第2弾で、隣接するゴミ捨て場にも着手する見通し。「不法投棄地を自然林に転換したい。成功すればゴミ処理に苦慮している多くの自治体に一種の教訓となるのでは」と狙いを語った。
第1弾は日本経団連自然保護基金から2千万円の助成を受けていた。帰国後に第2弾の申請手続きを同基金で行ない、結果は来年5月に出るという。「数少ない成功例として認めて頂いている。信頼を得ているので、実現可能な事業規模を見極めたい」と語り、来年内の開始を目指している。
中野総裁の著書も刊行
中野良子総裁の著書『いのちの文明を創造する―オイスカ・インターナショナルの理念と活動』が10月6日、日本で発行された。今年は政府開発援助(ODN)を開始した1954年10月6日から、ちょうど60年。国際協力の日と制定され、61年の同日は、オイスカ創立記念日でもあることから同書の刊行に至った。
創立の歴史や理念、これまでの国際活動の実績と、近年では東日本大震災被災地での植林事業などが日英両語でまとめられている。